今日の『ふぅ』

2004/04/04 (日)

志村!うしろ!うしろ!!
 「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」をやっと見てきました。
 いやいや、相変わらずサービス精神のある映画です。
 毒クモとの対決シーンでは、「ドリフ」の追悼番組かと思ってしまいましたよ。
 というわけで、以下ネタバレ注意ってことで。

 ・・・バカですまん。

サムの大冒険
 「指輪は僕のものだ・・・」
 赤々と燃える炎を背に立つホビットの少年の目は、すでに支配されていた。ホビットの少年は、指輪をかかげ自分の左手の指に、今まさに通そうとしていた。
 ご主人様のためにも、故郷のためにも、そして仲間たちのためにも、指輪を葬らなければならない。サムは飛び掛った。
 勝負はあっけなかった。
 ホビットの少年は、指輪を抱えたまま炎の中へと落ちて行った。

 サムが気づくと、そこは朝日の差し込む真っ白いベッドの上であった。
 長い長い物語は終焉した。
 王国は、暗黒の時代を脱し、故郷に平和が訪れた。
 サムは故郷に戻り、英雄として迎えられた。
 そして、念願の酒屋の娘と結婚し、幸せな毎日を過ごしたのだった。

 だがしかし、世の中そんなに甘くは無かった。
 英雄、英雄ともてはやされたのは旅から帰ってからの半年たらずに過ぎなかった。例外なく世界的な不況に支配された故郷の国では、英雄に仕事があるわけでもなく、また1年以上も旅をしていたサムには収入を得る手段は無かった。
 退屈な日々をアルコールで紛らわすことが続き、ついには「英雄といったって、あんたにはもうついていけないよ」と妻に見放された。
 孤独な日々は、過去を思い起こさせる。
 サムは、親友を殺したことを今更ながら後悔した。
 仕方なかったとはいえ、自分の行動は正しかったのか。
 一人、サムは苦悩しつづけた。
 4年目のある日、白い魔法使いが街へ訪れた。
 サムは、魔法使いに連れられ、船で旅立った。
 もう故郷に戻ることもない。見送りは一人も居なかった。

 サムは、白い魔法使いから小箱を受け取った。
 小箱を開けたサムは、その中身を見た瞬間、体全体が凍りついた。
 それは金色の指輪であった。

 岸辺に潜む黒い影。
 怒りに満ちたような、しかしどことなく寂しげな瞳は、船を見つめていた。
 「僕の愛しいしと・・・」
 フロドはそう呟いた。
 


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