さて、暫く使い込んでいた88mkIIだが、やはり音の寂しさは否めない。

　そこで、オプションで用意されていた、ＦＭ音源ボードを導入してみることにした。
　型番は、PC-8801-11だ。これで、SR以降と同じ、FM3音 SSG3音の音楽機能を得ることが出来る。

　早速発注、そして取り付け。
　ベーシック上で使うには、拡張ベーシックを使わなければならず、フリーエリアが激減するため、主として、市販ゲームなどでの使用が主だ。

　まず、試したソフトは、【太陽の神殿】（日本ファルコム）だ。
　……それまで、ＢＥＥＰ音しか知らなかった自分にとって、まったく衝撃的な音色だった。
　とても美しく透明感があって、……ああ、ＢＧＭが付くだけで、こんなに良くなるものかと感涙した。（笑）

　しかし、対応ソフトが意外と少ないのは哀しかった。
　【ブラスティー】（スクウェア）、【信長の野望・全国版】（光栄）、【蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン】などだ……　他にもあったようだが、買った中ではこれくらいだった。

　その後、更に新型のボードが出る。　そう、あの【サウンドボードII】PC-8801-23だ！

　FM音源６、リズム6、SSG3、ADPCM1という豪華装備だ。

　もう、当時斜陽だったＶ１モード専用機に付けること自体問題かも知れないが、それでもやってみた。

　これも、Ｖ１モードでの対応ソフトは……【蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン】くらいなもの……
　でも、喋る！
　当時としては画期的な、そんなオープニングはまさに感涙ものだった……

　今では、FM音源など見向きもされないようだが、当時は高尚で、憧れのサウンドシステムだったのだ。
　あのときの感動は、今でも忘れられない……

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