Prologue

平成2X年、西海道(九州)に整備新幹線・福岡〜新牟田間が開通した。
悲願達成に地元が沸き立つ中、ある路線がひっそりとその使命を終えた。

新牟田(しんむた)〜品渡場(しなとば)を結んでいたJR枝田(きだ)線。
かつて、鮮魚輸送の為に引かれた路線である。

既に列車の姿が消えた枝田駅構内を覗いてみると、
西側に不自然な空き地がポッカリと空いているのが目に付く。
ここにはかつて、港への引き込み線があり、
また一部は市内方面へも伸び、客扱いを行っていた名残だという。

そう、ここには先日廃線となった枝田線よりずっと以前に消えた、
小さな路線が存在したのだ。


その名は、枝田浜(きだはま)鉄道といった……

 

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