中隊配属 |
中隊配属……
後期教育が終わり、七名の新隊員は普通科中隊へと配属になった。
もう、教育ではなく、いよいよ本格的に自衛官として職務に就くのだ。
緊張と不安でいっぱいになりつつ、荷物を持って、隊舎へ赴く。
……などと書いてみたりして…(汗)
1:営内班
今までお世話になった連隊教育隊の隊舎から、ほぼ向かいに位置する隊舎。 そこが、これからお世話になるところです。
第四普通科中隊(四中)と重迫撃砲中隊(重迫)が入っています。
それはもう、最初は緊張しまくってしまう。
怖そうなのがいっぱい。次いで、妖しそうな人も居たり……。 が、幸運なのか、後期教育隊でお世話になった班長が、そのまま自分の班の班長でした。 知っている人が近くにいることは、何とも心強い。
まずはじめに、同じ班の諸先輩方に顔を通します。
縦よりも、横に大きい部屋長、ちょっと厳ついナンバー2、おっとりした人に、ひとつだけ上の小柄な隊員。
どちらも個性的な人だが、いい人ばかりだったので、個人的には安心しました。
が、他の班では、なんか凄い人も居るようなので、そう安心は出来ないのだが……
事実、後日ちょっと殴られかけた。(汗)
2:雑事
下っ端には、当然雑事が付き物です。
灰皿洗い、コーヒー入れ、コップ洗いなど…… 当然ですが、慣れないうちはなかなか要領を得られず、苦労の連続でした。
特にコップ洗いとコーヒー入れ、コップは常に残り数をチェックして、少なくなりそうだったら、すぐに洗いに行かなければいけないし、コーヒーは、諸先輩方の好みをしっかりと憶えておかないと、作り直させられたり、怒鳴られたり…… まあ、しょうがないですけどね。
で、寝る前には、コップを全部洗い、灰皿も片付けます。
灰皿洗いは、……手で細部の汚れを洗い流します。 だから、あとで良く手も洗わないと、ヤニ臭くなったりして……
そんなこんなで、消灯前は、自分の歯磨き等もあり、結構、忙しくなるのです。
また、朝も忙しくなります。
起床・点呼後には、新聞とりやパンとりが待っていまして……
宿直室で、班で取っている新聞をもらい、その後は食堂へ、先輩の分のパンを取りに行きます。
普通、パンは数が少ないため、早めに行かないと間に合いません。
(もちろん、一般の【ご飯、みそ汁】の朝食は用意されています)
よって、朝は、モーゼンとダッシュしてパンを確保するわけです。
何にしろ、下っ端は積極的に動かないといけません。
でも、最近はそんなことも、だいぶ薄れてきたそうです。
時代の流れでしょうか……
3:警衛
警衛とは、駐屯地を警備すること。
各中隊持ち回りで、24時間交代で勤務に就くのです。
もちろん、最初はまず見習いから。
まずは、前日に半長靴磨きと戦闘服のアイロン掛け。とにかく、格好だけでもビシッとしていないといけません。
その準備が終わったら、とりあえず、班長に点検してもらう。ちょっとでもアイロンの線が曲がってたり、磨き残しがあったら、即やり直し。
準備にも、結構手間と労力がかかります。
翌日。
見習いで警衛に就く。
とはいえ、やるのは立哨くらいだが…… 立哨とは、要するに立って見張っていること。門も前に良く立っている、アレです。
二時間交代でじっと立ちっぱなしなそれは、見た目よりはずっとキツい。
周りから見られてるし、トイレにも行けないし、もちろん動けないし…… しかも、今と違って、当時は銃を持って立っていたから、腕もだれます。
時間の進み方が、恨めしく思える時ですね。
まあ、他にも見回りとか色々あるのだけど、これまでにしておきます。