糧食

 


糧食……
いわゆる、飯炊き。
駐屯地で、はたまた演習場・演習中のメシを提供する、作業……

自己完結型の組織である以上、この糧食というものもまた、重要なものであります。

でも、その割に、低く見られているのは……仕方ないかも知れませんが(汗)

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1:最初……

 冬……

 糧食勤務の隊員が入院したため、急遽声がかかり、三ヶ月ほど行くことになる。
 その彼は、糖尿病で入院したらしい……(汗)

 糧食は、この駐屯地の場合(当時)、4直3交代での勤務になります。
 早出は、朝は午前四時に起きて、厨房へ向かう……
 これが、非常にキツい。
 特に冬……朝起きて、隊舎の外に雪が積もっているのを見るのと……ガックリ来てしまう。

 まあ、それは置いといて……

 主な作業は五つに別れ、それぞれを担当することになります。

 主食、副食、幹食、飯缶、KP……

 最初はまず、KPをやらされます。いわゆる、皿洗い。
 400人が喫食するため、使用される食器も多く、ピーク時にはとても忙しくなる。
 パートのオバさんや、自動食器洗浄機などの機器はあるが、最後の仕分けはどうしても手作業になる。
 コンベアでどんどん流れてくる食器の仕分け、……3〜4人がかりでわっと取りかかるのです。
 ちょっとした修羅場になりますね。

2:各作業

 基本的な部分は、おおむね機械化されているのですが、野菜や肉の切り込みは、どうしても人手に頼らないと行けない。

 まあ、これは仕方ないのですが、結構面倒な作業ですね。

 特に、今までやったことのない作業の連続だったので、非常に苦労した。
 というより、三ヶ月程度では、最後までいまいち慣れられなかったのだが(汗)

 野菜の切り込みは言うに及ばず、魚介を捌いたり…するのは、もう辟易したような憶えがあります。(苦笑)
 臭いやら固いやら多いやら……魚屋さんは大変だ(汗)

 さて、そうして捌いたブツは、副食直長が調理していきます。

 また、焼き物、揚げ物は、特定の直の人間がワッとかかって、作業します。
 これらは、結構手間がかかる上、後始末が大変なので、ちょっと疲れますね。

 

 そして、主食……
 とうぜん、ご飯炊きを指す。
 これは、主食係りがすべての作業を行う。

 その日の人数から、米の分量を量り、自動米研ぎ器に掛けて研ぎ、飯缶(ばっかん)に仕込んで自動炊飯釜へぶちこむ。

 あとはもう、炊きあがりを待つだけ……
 ある意味、一番暇になる係りかも知れない……

 しかし、炊きあがった後は大変。
 熱いのを釜からどんどん出し、食堂に並べていかなければならないから…
 あとは、食堂に出ていた分を常に監視し、無くなりかけたら新しい飯缶を出す、という作業を繰り返す。

 

 そして、喫食時間が終わった後……は、一部を残して、すべて残飯として処分する。
 個人的には、とてももったいなく……寂しい瞬間でもある。

 

 飯缶とは、飯やおかずをいれる金属容器のこと。

 これを洗ったり、野外作業等で食堂で喫食できない隊員向けに、クーラーボックスに詰めたりすする作業が主。

 洗い物は当然多く、しかもでかいため、とても洗いにくい。
 しかも、クーラーに詰める作業が、複数の部隊にかかっていると、とても時間がかかる。

 

 幹食とは、幹部食堂係のこと。

 幹部向けの、盛りつけ、配食等を行う。
 ひたすら綺麗に、形良く盛りつける。まあ、違いと言えばそれくらいだけど……

 

3:糧食の人々

 糧食に来る人は……当時は、中隊で役に立たない人が回されることが多かった。
 かく言う私もそのひとり(汗)

 というわけで、かなり、独創的というか、妖しい人物が多かったのも確か。

 精神的にも、衛生的にも……(汗)

 余り多くを語るべきではないが、独創的な世界が広がっていたような気がする……
 そのせいで、自分は最後までなじめなかったのだが……

 


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