「種別」について



にゃ。(文庫のマスコットキャラの)レオナだよん。この「種別」って欄はね、その作品の中でどんなふうな♂→♀があるのかを表すとこなのだ。ほらね、少年少女文庫って男の子が女の子になっちゃう! がいちおうメインテーマだから、そのへんは重要なのにゃん。ここの項目を見れば、いまから読もうとしている作品が入れ替わり物なのかそれとも変身物なのか、すぐ分かっちゃう仕組みにゃ。

※例
【種別】 人格転移 入れ替わり アイテム
↑この例の場合だと、男のひとの魂が女性の身体に入ってしまう「人格転移」で、しかも人格転移の中でも男女の意識がお互いに交換されちゃう「入れ替わり」があるんだなって分かるよ。でもって、「アイテム」ってあるから、その入れ替わりは何かの不思議なアイテム(お守りとか、手鏡とか)の力で発生するんだなってことまで分かっちゃうの。便利だにゃん!
最初は分かりくいことがあるかもしれないけど、文庫作品を色々と読んでいくうちに種別の欄の意味は分かってくるはず!

「種別」を表現するための項目は、「基本区分」→「下位区分」→「手段」→「修飾」の順に該当するものをピックアップしていくのが基本なのにゃ。詳しい応用例は、文庫の実作品を見て確かめて欲しいにゃ!



【基本区分】

基本区分には「変身」「人格転移」「転生」「仮想現実」「分類不能」の五種類が用意されてるにゃ。見て分かるとおりに、一番基本的というか大ざっぱな分類にゃん。この基本区分と、ほかの項目を組み合わせることによって色んな♂→♀のパターンが表現できるようになってるよ。
変身 対象キャラクターの肉体が変化して女の子になっちゃうお話は「変身」物にゃ。魔法やすんごい科学力による変身だったり、性転換手術による変身だったり、基本区分の中でも一番バリエーションの多い項目だね。一部サイトでは「自己肉体変化」と呼ばれているようなお話は基本的に「変身」のくくりに入るにゃん。
人格転移 対象キャラクターの意識だとか魂だとか記憶だとかが、女の子の身体に移ってしまうような♂→♀現象は「人格転移」と呼ぶことにしてるにゃん。人格転移には重要な下位区分が二つあるにゃ。「入れ替わり」「憑依」がそれ。人格転移物の八割方以上は、この二つの下位区分のどれかに該当するにゃん。
転生 いわゆる生まれ変わり、リインカーネーションのことにゃ。前世で男性だった人物が、女の子として生まれ変わってくるのね。たいていは女の赤ちゃんに生まれ変わるんだけど、ごく稀に神様の力とかでいきなり大人の女性に生まれ変わるパターンもあるみたい (cf. 洋画『スウィッチ』)。こんなとき、人格転移との違いは、移る先の身体が転生(人格転移)の瞬間以前にこの世に存在していたかどうかで線引きするにゃ。
仮想現実 たいていの場合は、SF作品であることが前提になるにゃ。対象キャラクターが、いわゆるサイバースペースに意識を接続して、その仮想の世界の中で女性の姿をとるようなパターンが「仮想現実」に分類されるのだ。あと、催眠術なんかで見せられた幻や夢の中でキャラクターが女性になるような場合もここに分類。仮想現実ではなんでもありだから「変身」や「人格転移」の境界が曖昧になりやすいこともあって、独立したひとつの基本区分として「仮想現実」という項目があるのにゃ。だから、その仮想現実の中ではっきりとした変身やら入れ替わりやらが描写されてるときは、ほかの基本区分と並立で項目が記入されることもあるのにゃ。(例: 仮想現実 変身)
分類不能 上の四つのパターンに分類してしまうにはどうしても無理があります! ってときには、この「分類不能」になるよ。「分類不能」はあくまで、♂→♀があるんだけど、分類が不能な場合。シリーズ物の一話目とかで、そもそも♂→♀シーンが存在してないときなんかは、種別欄は空白にしておくのですにゃ。



【下位区分】

基本区分を補足するための項目ですにゃ。
入れ替わり 「人格転移」の下位区分。ごく稀に、「変身」の下位区分としても適用。
憑依 「人格転移」の下位区分。
精神同居 「人格転移」の下位区分。たいていは「憑依」と並立するにゃ。
コピー 「変身」の下位区分。特定の他人の姿をコピーするような変身。有名アイドルに変身したり、知り合いの女性に変身したり。
仮性半陰陽 「変身」の下位区分。遺伝子レベルでの性別と、生まれたときの一次性徴が食い違ったことが原因で生じる変身。つまり、自分も周囲も男の子だと思っていたらある日突然、「本当は女の子だった」と明らかになってしまうパターン。医学的にあまり厳密でない場合もあり。



【♂→♀の手段・原動力】

物語の中で♂→♀を実現させている手段・原動力が、幾つかの代表的なパターンに当てはまる場合には、それを記します。不条理系のお話などで「♂→♀の手段」を特定できない場合は、たんに何も表記しません。(例: 「華代ちゃん」シリーズの多くでは、基本区分の「変身」のみが記されて、手段は明記されていません)
魔法 いわゆる魔法、あるいは魔力、魔法の力を持った物品などによって♂→♀が実現される場合。ほとんど魔法と区別のつかないような超能力(ESP)や忍術も、この項目にくくっちゃいます。
神秘 「魔法」には分類しきれない、超自然的な要因で♂→♀が実現されるものにゃ。例えば、少年コミック『らんま1/2』に出てくる「娘溺泉」などが、この項目に当てはまるにゃん。呪いや祟りなんかでの♂→♀も該当。
医術 手術あるいはホルモン投与。多少荒唐無稽でも、物語の中で現代医学に基づく行為として描かれている場合はこの項目が該当します。

※「医術」と後述の「テクノロジー」はときとして、区別が難しくなります。「物語内での現代医学レベル」を線引きの基準に考えてください。性転換薬などでも、(その作品世界観の中で)専門家なら誰もが知っているものなら「医術」の範疇、反対にそれが医学界の一般的な常識を覆すようなものなら「テクノロジー」、というふうに線引きします。
テクノロジー マッドサイエンティストや宇宙人なんかの使う、スーパーな科学力で♂→♀が実現するときはこの項目。広い意味での科学的な要因をカバーするものとしますにゃ。ただし、「医術」の領域を越えているのが条件。脳移植なんかは医術とテクノロジーの境界になってきます。

※脳移植の場合、医者の技量によって可能になっているのなら「医術」、機器の性能など科学の力によって可能になっているなら「テクノロジー」。その医者以外の人物が執刀していたら、移植は可能だったかを線引きの基準に考えてください。(YES→テクノロジ NO→医術)

※化学の実験中に手違いで偶然できてしまった性転換薬によって、変身! ……こんな場合は、「テクノロジー」に該当するか否か?! 注目の答えはCMの後で!(考えていなかったらしい)



【修飾項目】

♂→♀のパターンを説明するのに役立つ、いくつかの代表的な枠組み。
可逆 対象キャラが物語の中で女になったり男になったり、可逆的に変化する場合。
かぶり物 着ぐるみや、スーツ、人の皮などによる♂→♀。
アイテム ♂→♀に指輪、お守りなどアイテム(小道具)が関わる場合。
薬品 何らかの薬品によって♂→♀が引き起こされる。
人体交換 手足などのパーツのすげ替えが行われる。



【その他、細かい適用規則など】


・ひとつの作品に複数の♂→♀が存在する場合、それらの全てを網羅するように項目を表記します。ただし、項目を重複させて表記することはしません。
× → 変身 魔法 人格転移 魔法
○ → 変身 人格転移 魔法

・元男性だった女の子キャラクターが登場していれば、作中で直接♂→♀の現場が描かれていなくても、各項目は適用されます。例えば、一見ごく普通の男女のラブコメに見える作品で、お話の一番ラストで女の子が「じつはわたし、一年前に性転換手術してたの!」と告白したとします。これだけで、この作品には「変身」「医術」という項目が立つわけですね。(笑)

・基本的に各項目の該当・非該当は、♂→♀の当事者であるキャラクターとの関わりで判定されます。だから、例えば、女性の幽霊に憑依された少年が女性化してしまうようなお話の場合、該当する基本区分はあくまで「変身」だけです。(少年の♂→♀に注目したとき、この少年自身は誰かに憑依しているわけではないので「憑依」の項目には当てはまりません)