介護について

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 今日の昼、某ワイドショーでやってました。
 介護する側の地獄ぶり。 そして、安っぽい家族愛なんて一瞬で吹き飛ばす強烈な現実ってヤツを。


 一年半前まで、うちも似たようなことやってたんだな。と、ふと思い出した。
 すっかり頭が弱くなった親父。
 ずっと以前、高血圧で脳血栓をやって、それがだんだん悪化、不摂生も手伝って、脳の半分が機能しなくなったんだ。

 だんだん悪く、おかしくなって来たのだけど、
 元々が相当ワンマンで、家族の言うことを全然聞かない人だった。
 それで、悪くなるまで気付かなかった。


 通院、入院、手術。
 手術後、退院してから、介護しなきゃいけない現実を突き付けられた。

 下の世話、食事の世話、風呂の世話。
 母親も結構やってくれてるけど、目が見えないので、それも限界がある。
 会社から帰って、その部分を補う。

 やっているときは、イヤでイヤでたまらなかった。
 自分の親だとしても。 会社から帰るのが憂鬱で。
 また、眼科に検診に連れていくのに。
 行く前に疲れがどっと出るようだった。

 自分にも、精神的に疲労がたまっていたからだと思うけど。


 今現在は、介護医療の病院に入院させている。
 月に1〜2回見舞いに行く程度。
 もっと行けばいいんだけど、距離と時間が合わなくて、なかなかそうもいかず。

 親父は、脳の機能が衰えて来ているようで、言葉もしゃべらず、
動きも鈍くなってきているんだけど。
 でも、家族が来ると分かるね。
 にこ〜っとする。 家では笑ったことなんてほとんど無かったのに。
 母親は目が見えないから、そのへんは説明してやって、みんなで話しかける。

 ものは言わないけど、話しかけたらちゃんと反応する。
 だから、何でも話しかける。手を握る。髪を触る。
 それだけで、とっても嬉しそうなんだな。


 で、帰る時間になる。
 帰ろうとしてるの分かると、すごく寂しそうな顔をする。
 顔をくしゃくしゃにして、泣きそうな、いや、泣いてしまう。

 家では、泣くことなんて絶対無くって、
 怒ってばっかりだった。 そんな印象が強かった。
 でも、泣くんだよね。

 そんな顔をされると、とてもじゃないけど帰れない。
 もう少し居てあげるんだ。

 帰るときは、分からないように、そっと帰る。


 家で面倒を見るのは、かなり無理をすれば不可能じゃないかも知れないけど、
優しくはなれないだろうな。
 少なくとも、自分には。