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男女入れ替え戦
作:もぐりん


この作品の内容は午後の緑茶さんのCGを元にイメージしたもので、すべてもぐりんの妄想です。実在する人物や団体とは一切関係ありません。

ついにこの日がやってきた。俺達はとうとうここまでやってきてしまった。
我が伝統ある陰陽工業バスケットボール部は、男子リーグで負け続け、ついに女子リーグ1位の聖転学園女子バスケ部と男女入れ替え戦をやるはめになってしまった。ここでもし負けると、俺達はこれから1年間女子リーグで戦うことになるのだ。
監督から激が飛ぶ。「お前等もうあとがないぞ!男の意地を見せてみろ!」
「オス!」
相手チームは、女子リーグ1位なだけに、ガタイのでかい筋肉のついたスポーツウーマンかと思いきや、普通の可愛い女の子だった。5人の中で一際輝いているのは、沖田まなみだ。胸はDカップはあるに違いない。髪はさらさらのロングで束ねてもいない。ドリブルしているときや、シュートを打った後の胸の弾力性につい見とれてしまう。仲間はと見まわすと、スケベな丞加や是郎はもちろん、お坊っちゃんの頑太やまじめな一誠までもが練習もそこそこに女子の練習姿に見とれていた。

そして、ジャンプボールで試合は始まった。
身長では勝っているので、空中戦ならば負けない。スピードと迫力の点においても優勢な俺達は有利に試合を進め、前半は28対20と8点リードで終わった。
ハーフタイム。そして後半。敵は作戦を変更したようだ。
さかんに接近してくる。チャージ一歩手前というところか。体が触れ合う。彼女達の髪が顔にかかってくる。彼女達の荒い息が聞こえ、女の子の汗の匂いがする。お色気作戦か。彼女いない暦十数年、女慣れしていない俺達は戸惑った。
形勢は逆転した。10対13で3点ビハインド。
監督がタイムアウトをかけた。作戦変更。接近戦を避けてパスワークでつなげ、頑太に回して3ポイントシュートを狙う作戦だ。
試合再開。ロングパスで頑太に回してゆく。面白いように3ポイントシュートが決まっていった。
頑太に敵のマークが集まるがそんなことはお見通しだ。俺達が敵をブロックし頑太が機敏に駆け巡り自在に3ポイントを決める。一挙に逆転し19対15で4点リード。
敵がタイムアウトをかけた。そして試合再開。
敵は執拗に接近をかけてきた。そして異変は起こった。
まず丞加の動きが遅くなった。中腰になりうつろな表情を浮かべている。
「丞加、どうした」
「いや、なんでもない」
タマでも蹴られたかと思ったが違うようだ。
次に是郎の動きがおかしくなった。トラベリングなどの初歩的なミスをし、パスも決まらない。
「是郎、しっかりしろ」
「OK。大丈夫だ」
そして一誠。女子の一人が接近し、一誠の耳元に顔を近づけたのが見えた。一誠は簡単にボールを取られた。
「一誠、どうした、キスでもされたのか」
「いや、べつに。すまん」
敵の得点が入っていく。なんとか頑太につなげ、頑太がシュートを打とうというとき、ブロックを逃れた女子が頑太に接近し、顔を近づけて何かを囁いたのが見えた。頑太のシュートはリングを大きく外れた。
俺は敵のボールを奪ってなんとか頑太にパスを回そうとしたが、沖田まなみにブロックされた。彼女は俺に囁いた。
「…………」
それを聞いたとたん、全身の血がある一点に集まり、膨張を引き起こした。つまり、性的反応だ。こんな状態では試合はできない。
あまりにも卑怯なやり方だが、こんなのはルールブックにも載っていないだろう。審判にアピールできない。
いつのまにか得点は21対35と大逆転されていた。

試合終了。俺達はセンターラインの所に並んだ。丞加と是郎が競って沖田まなみの前に割り込もうとする。審判の整列の声がかかり、ふたりはしかたなく整列した。まだ中腰のままだ。それに合わせて女子も並び直す。
「55対49で聖転学園の勝ち。これにより、聖転学園女子部を男子リーグに、陰陽工業男子部を女子リーグに入れ換えます」
審判は笛を手にした。
「それでは、入れ換え!」
遠く響く魔笛のような笛の音が聞こえ、視界がブラックアウトして一瞬意識が遠のいた。
そして、気がつくと、目の前に俺が立っていた。
下を見おろすと、俺は聖転学園女子部のユニフォームを着ていて、胸がふくらんでいた。髪の毛はかなり長い。
俺達は互いに礼をして分かれた。
「やった。女の体だ。ラッキー」
そう言ったのは小早川あゆみだ。彼女の前に並んでいたのは確か丞加だ。
「丞加、お前始めから負けるつもりだったんじゃないだろうな」
俺の口から出たのは女の声だった。
「いや、こうなっちゃったからには何事も前向きにとらえないと。さあ、シャワールームで反省会よ。まなみちゃん」
「てめえ」
監督はと見ると、監督も心なしか女子部の監督になったことにうれしそうな様子だった。
俺達はロッカールームへ行った。もちろん女子の方だ。
そうそう、試合中に彼女が囁いた言葉はこうだ。
「私になって私の体を楽しんでみない?」
もちろん楽しんでやるとも。

それから俺達はロッカールームで自分の体を調べたり、シャワールームで「反省会」をしたり、その後入れ替わった相手と色々あったりしたのだが、それはまた別の話。
(一応完)



あとがき
時間をかけて書いたのに、読んだら短いなあ。
もしあとを続けて書こうという方がいたら書いて頂いて構いません。


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