廃線跡を歩く 2002/2/1
i 国鉄枝田〜笹瀬
既に廃線から二十年以上が経過し、その遺構は日を追うごとに消えつつある。
それでも、旧JR枝田駅前を歩いてみれば、その名残に気付く。
駅前の西鉄ストアを横切り、路地に沿って川沿いへと足を向ければ、排水溝に沿ってなだらかにカーブを描く市道を目にする。 これはかつての路線後だ。
度重なる拡幅と区画整理で築堤の面影は無いものの、緩やかに流れるカーブに往時を忍ぶことが出きる。
行き交う車に気を使いつつ小一時間ほど進むと、古びた西鉄バスの待合所が見えてくる。 ここはかつての森駅で、駅舎をそのまま利用したものだ。 浜鉄廃線後に浜鉄バスへと移行し、その後西鉄に吸収合併されたためである。 以前はマリンブルーに白帯という浜鉄色のバスも見かけていたが、今は西鉄のノンステップバスが幅を利かせている。
幾つかの停留所を過ぎ、白い公民館の前を横切ると、笹瀬町と書かれたバス停が見えてくる。
笹瀬駅はこの付近にあったようだ。 しかし築堤後もこのあたりになると完全に失われ、名前以外に当時との繋がりはまるで見えない。
ii 笹瀬〜枝田浜港
大前通りの五差路を左手に折れると、ちらほらと大型トラックの姿が目に付いてくる。
鮮魚を積み込み、消費地へ向かうものだ。
昭和時代は鉄道貨物が担っていたものだが、もはやそのような巨大な需要はなく、散発的な自動車輸送で事足りる状況である。
皆平駅跡地の辺りは、そのまま公園に整備されている。
廃線のレールを使った遊具施設なども設置されているが、塗装も剥げ、かなりボロボロになっていた。
周囲は比較的古い街並みが続いているが、活気も今ひとつだ。
港の方まで足を進めると、プラットホームの名残に遭遇した。
看板こそ外されていたがコンクリート建築の枝田浜港駅舎も存在し、今は隣接する魚市場からトラックなどへ積み込む施設として使われているようだ。