歴代車輌について | ||
O u t l i n e |
山口往還電鉄は勾配区間が多く、それ故に相応の装備と力を持った車輌が導入されてきました。 ここでは、それらについてご紹介いたします。 |
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凡例
■ 形式名 | 編成(□…付随車 ■…電動車) | 使用年 |
旧型車輌 代表的なもの |
■ 10形 11形 12形 | □ ■ ■ | 1914-1958 |
往還鉄道開通時に導入された二連電車。 後に明木〜大田間で使用された。 17m級半鋼製三扉車で、クロスシートの座席配置を取っている。 塗色は朱と黄色のツートン。 600V車であることと老朽化の為、秋芳線1500V昇圧時に全廃。 亜細亜車輌
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■ 20形 21形 21形c | □ ■ ■ | 1922-1966 |
1922年から導入された二連電車。 勾配路線に対応したもので、明木以南の1500V電化路線向けに導入された。 17m級鋼製三扉車。塗色は10形に準拠している。 21形は20形の出力強化タイプ。 21形cは行商・荷物兼用電車。cはカーゴの略。 1966年に全車営業運転より撤退。 亜細亜車輌
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■ 03形気動車 | ■ | 1944-1972 |
秋吉鉄道・伊佐石灰石鉄道から引き継いだ気動車。 単行で運行される。 秋芳線電化時に全車廃車。 帝国動車
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普通/快速 |
■ 100形 | ■ ■ □ | 1958-2000 |
戦後初めて導入された三連電車。 長距離運用の強化と大幅な高速化を狙って導入された。 鋼製三扉車で、クロスとロングの両タイプの座席配置があり、スカイブルーの塗装は従来のイメージを一変させた。 長らく利用者に愛されてきたが、老朽化と高速車両導入により2000年で全車現役を引退した。 抵抗制御 75km/h 定員212 WC サボ 18m 亜細亜車輌
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■ 110形 | ■ □ | 1972- |
1972年から導入された二連電車。 勾配の少ない路線に対応したもので、主として秋芳線向けに導入された。 勾配対応の70番台も存在する。 鋼製二扉車で、クロスシートに両端部のみロングシートとなる。塗色は100形に準拠している。 一部が秋芳線で現役。 抵抗制御 75km/hその後85km/h 電気指令空気ブレーキ WC サボ 定員208 18m 亜細亜車輌
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■ 110形1000番台 | ■ | 1988- |
110型の改造で、単行運転用に機器と運転台、トイレを増設した車輌。 電車庫火災で相方を失った車両を中心に改造された。 全車両が秋芳線で現役。 抵抗制御 75km/hその後85km/h 電気指令空気ブレーキ WC サボ 定員100 18m 改造:萩総合車輌所
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■ 130形 | ■ □ | 1987- |
1987年から導入された二連電車。 電車庫火災で焼失した車輌の代替として導入された。 鋼製二扉車で、座席配置は近郊型。ライトグレーにラインカラーの帯を張り付けてある。 冬季半自動ドア・ワンマン運転対応。 添加励磁 85km/hその後100km/h 発電ブレーキ 冷房 半自動扉 WC 方向幕 定員212 18m 東洋重工
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■ 140形 | ■ / ■ □ | 2000- |
2000年から導入された電車。 高速化対応工事の完了と共に、高速対応車輌として導入。 最高運転速度は100km/hで、高加減速性能を備えている。VVVFインバータ制御。 軽量アルミ製二扉車で、近郊型の座席配置。ライトパープルとグレー地にラインカラーの帯という塗色。 単行での運用と、クハを連結した2連での運用の二種類がある。 同じく半自動ドアとワンマン運転対応。 VVVF IGBT 100km/h 発電回生ブレーキ 冷房 半自動扉 WC LED方向幕 定員106/212 18m 東洋重工
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■ 140形 1000番台 | ■ □ + ■ □ | 2000- |
140形の快速用車輌。 転換クロスシートを装備し、トイレは付随車のみに配置。 また、喫煙スペースを動力車側に設置。 運転台も両端のみとなる。 ワンマン運転準備工事あり。 現在は車掌乗務が基本。 VVVF IGBT 100km/h 発電回生ブレーキ 冷房 半自動扉 WC LED方向幕 定員198+198 18m 東洋重工
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■ 910形 | □ | 2001- |
貨車改造の自転車積載試験車。 基本的に、140形2連の中間に挟まれて運用される。 自転車が30台収容でき、電磁ロックキーで専用金具に固定、盗難や誤配を防止する。 貫通扉と大型自動扉が設置され、座席車との行き来や乗降を容易にしている。 JR貨物のワム80000の廃車体を利用したものや、トラ改造のものもある。 100km/h 電気指令空気ブレーキ 積載数30 12.5m 改造:萩総合車輌所 |
■ 300形 | □ ■ ■ □ | 1966-1988 |
1966年、急行維新用に導入された急行型電車。 4連の車輌で、一等車輌を連結し、山口往還電鉄の顔をとしてデビューした。 老朽化と利用客減少のため、1988年に短編成化改造工事を受け、全車型式番号を変更した。 抵抗制御 85km/h 電気指令空気ブレーキ 冷房 WC サボ 定員276 19.5m 亜細亜車輌 |
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■ 300形 1000番台 | □ ■ ■ | 1988- |
1988年、300形から改造された急行型電車。 4連から3連に短編成化の上、内外装の一新と全座席をリクライニングシートへの換装も実施した。 また、一等車輌をベースに大型窓を設置、眺望を大幅に改善した。 2000年度に高速対応の新車を導入したため、現在は観光快速の運用や、団体・臨時用に使われている。 抵抗制御 85km/h 電気指令空気ブレーキ 冷房 WC 定員186 サボ 19.5m 改造:萩総合車輌所 |
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■ 300形 1100番台 | □ ■ ■ □ | 1988- |
1988年、300形から改造された急行型電車。 基本的な改造は1000番台に準ずるが、二両目を全面展望タイプに、三両目の半室を多目的オープンスペースに改造するなど、よりリゾート色の強い構成とした。 JR線への入線も可能。 観光快速や各種イベント、団臨に使用。 抵抗制御 85km/h 電気指令空気ブレーキ 冷房 WC サボ 定員172 19.5m 改造:萩総合車輌所 |
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■ 310形 | □ ■ □ | 2000- |
2000年から導入された3連の急行電車。 高速化対応工事の完了と共に、高速対応車輌として導入。 最高運転速度は100km/h アルミ製車体にVVVFインバータ制御となる。 また、LED式の行き先表示器を装備している。 一号車後部は多目的サービススペースが設置され、主に乗客への湯茶のサービスを行う。 こちらもJR線へ入線可能。 VVVF IGBT 100km/h 発電回生ブレーキ 冷房 WC LED方向幕 定員178 19.5m 東洋重工
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荷物電車 |
■ 500形 | ■ | 1958-2000 |
戦後初めて導入された荷物電車。 100形と共通運用を組むために作られた。 スカイブルー塗色に白帯が特徴。 荷物輸送廃止により一時除籍されていたが、トラベルBOXサービス開始により、1992年から復活する。 2000年で全車現役を引退した。 抵抗制御 75km/h 18m 亜細亜車輌
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■ 510形 | ■ | 1972- |
1972年から導入された荷物電車。 秋芳線向けの荷物電車として導入された。 500形と同じく、除籍後復活した。 抵抗制御 75km/hその後95km/h 電気指令空気ブレーキ 18m 亜細亜車輌
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■ 540形 | ■ | 2000- |
2000年から導入されたトラベルBOX専用の荷物電車。 140形と共通運用を取るために導入された。 制御機器やブレーキ装置など、基本的に140形と共通。 他の荷物電車と違い、半室は旅客兼用となっている。 荷物用大型扉1、客室用扉1を備え、近郊型の座席配置を取る。 塗色は140に準じ、荷物電車の印として白帯が施されている。 また、回送用に簡易運転台も付く。 VVVF IGBT 100km/h 発電回生ブレーキ WC LED方向幕 18m 東洋重工
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事業用 |
■ 971形 | □ | 1982- |
軌道や架線の状況をチェックする事業用車。 合理化を目指して導入された。 動力は無く、事業用機関車若しくは営業電車に連結される形で走行、チェックを行う。 2000年に全機器を高速対応へ更新。 100km/h 18m 日立製作所 |
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■ 901形 | □ | 1962- |
山間部の除雪を行うために作られたラッセルヘッド。 動力は無く、事業用機関車若しくは営業電車に連結される形で走行、除雪を行う。 45km/h 8.5m 亜細亜車輌 |
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■ 923形 | ■ | 1976- |
事業用の牽引用電車。 基本設計は110形に準ずるが、110形と違い勾配用装備が施されている。 971形や901形などの事業用車や故障車の牽引や、310形の無動力回送などに使われる。
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■ DD100 | ■ | 1962- |
貨物用ディーゼル機関車。 国鉄DD13とほぼ同型。 元々伊佐線で石灰石輸送を担当していた。 現在では電気試験車や故障車等の牽引を行う。 45km/h 日立製作所 |
■ 30形 | ■ □ | 1950予定 |
600V車の老朽化対応や、東萩〜三田尻(当時開通予定)の直通運転を実施する為、両電源に対応した電車としての導入を予定された。 先頭形状はキハ03と酷似しており、腰部に一灯のヘッドライトが付く。 座席は全席クロスシートで、急行運用に対応できる内装を施す予定だった。 東萩〜明木間が1500Vに昇圧されたため、導入は見送りとなった。 亜細亜車輌 |
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■ 120形 | ■ □ | 1978予定 |
100形の置き換えとして導入予定だった普通電車。 cMc-Mc-Tcの組み合わせで、柔軟な運用が出来るように、増解結に便利な構造を有している。 鋼製二扉車で、クロスシートに両端部のみロングシート。 主として萩防南線での使用を目的としており、混雑時には3〜4両、閑散時には1〜2両で運行される。 利用客の減少による経常収支の悪化から、設計の段階で導入を断念。 抵抗制御 85km/h 電空併用ブレーキ WC 定員178 18m 亜細亜車輌 |
…… 一 覧 表 ……
形 式 | 種 別※1 | 編 成 | 最高運転速度 | 配置編成数※2 | 備 考 |
100形 | (普通・快速) | Mc-M-Tc | 75km/h | 廃車(10) 焼失3 | 1958-2000 |
110形 | 普通 | Mc-Tc | 75km/h 後85km/h |
5(10) 焼失3 改造2 | 1972- |
110形 1000番台 |
普通 | Mc | 75km/h 後85km/h |
2 | 1988- |
130形 | 普通(快速) | Mc-Tc | 85km/h 後100km/h |
5 | 1987- 軽量ステンレス車体 |
140形 | 普通 | Mc Mc-Tc |
100km/h | 単3 連7 |
2000- VVVF制御 アルミ車体 |
140形+910形 | 普通(自転車対応) | Mc-T-Tc | 100km/h | 3(上記140編成含) | 2001- VVVF制御 アルミ車体 |
140形 1000番台 |
快速 | Mc-Tc+Mc-Tc | 100km/h | 2 | 2000- VVVF制御 アルミ車体 |
300形 | 急行 | Tc-M-M-Tc | 85km/h | 改造供出(4) 焼失1 | 1966-1988 |
300形 1000番台 |
急行 | Tc-M-Mc | 95km/h | 3 | 1988- |
300形 1100番台 |
臨時・急行 | Tc-M-M-Tc | 95km/h | 3 | 1988- 二両目ハイデッカー |
310形 | 急行 | Tc-M-Tc | 100km/h | 2 | 2000- 簡易振り子 VVVF制御 アルミ車体 |
500形 | 荷物 | cMc | 75km/h | 廃車(3) | 1958-2000 |
510形 | 荷物 | cMc | 75km/h 後95km/h |
2 | 1972- |
540形 | 荷物・普通 | cMc | 100km/h | 2 | 2000- VVVF制御 アルミ車体 |
971形 | 架線軌道試験車 | T | 100km/h | 1 | 1982- |
901形 | 除雪車 | T | 45km/h | 1 | 1962- |
923形 | 牽引車 | T | 75km/h | 2 | 1976- |
DD100 | 入換用機関車 | 45km/h | 2 | 1962- |
※1 カッコ内はかつての使用種別
※2 カッコ内は最大配置数
----- Yamaguchi-Okan Railways -----