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 不定期に更新する日記のコーナーです。
 創作のこととか即売会のこととか、あとは街歩きとか珈琲とか読書とか。
 
 
2024年01月10日 コミックマーケット103 レポート
 おくればせながら、12月31日にサークル参加いたしましたコミックマーケット103では、ほんとうにお世話になりました!
 今回はその日のレポートをお送りしたいと存じます。
 短めにすっきりまとまとめたほうがいいのかなあ――などとも思ったのですが、今回はこのサークルWEBページを再始動してはじめての即売会参加レポ。自分のところの懐中天幕という文芸サークルがどんな感じに活動しているのかの自己紹介を兼ねて、やや細かすぎるくらいに書いていくことにしました。
 おつきあいいただければ幸いです。


 今回のコミケの新刊はほんと、20年を超える自分のサークルの同人活動の中でも、過去一、二を争うくらいのぎりぎりな完成でありました。割増料金での〆切延長こそは何とか使わずにすんだのですが――入稿〆切当日に原稿が仕上がった、という状況で。
 職場でちょっといざこざのばたばたがあった(自分が管轄する部署ではなかったのですが、影響的に)のと、〆切前最後の週末に風邪をひいて寝込んでしまったのとで。
 ですゆえ、当日の朝に会場に向かいながら、「ほんとに新刊ができてこれから頒布しに行くんだ……」って、清々しいながらもなんだか夢の中にいるような心地でした。

 さて、今回は自サークルの配置は西2ホール。
 自分の属する『歴史・創作(文芸・小説)コード114』は、比較的東・西と配置日が固定されていないジャンルです。中断前のコミケ(主に3日間の時期)含めると、ほぼほぼすべての日と東西を経験している珍しいジャンルなのではないかな、と思う。
 中断再開後、西ホールはおそらく再開1回目のC99以来。

 新型コロナによる中断再開後、コミケに限らず他の即売会でも自分が思うのは「どの時間が自分のジャンルに人が多くいらしてくださるピークの時間かが、予測しにくくなった」ということだったりします。
 以前は、自分の体感ではだいたい「開場後1時間を過ぎたあたりから、2時間後くらいまで」の1時間の間に、自分のサークルでの頒布数の大半が集中している感じでした。
 ですが、この数年は――その時間にはあまり頒布数がなかったりして、「今回はまあお手にとっていただけなくても仕方がないかな……」と思っていたら13時過ぎくらいになって急にお手にとっていただけるようになるなどということも、コミケでもコミティアでも経験していて。
 コミケに関して言えば、午前午後のチケット/リストバンドの別個販売などの影響もあるのでしょう。
 加えて、今回は西ホール。
 いち中小サークル的には、開場とともに目の前の通路に人の流れがある東ホールよりも、未知数なホールであります。
 なので今回も――自宅から既刊を送るときの冊数は、けっこう悩みに悩んだものでした。

 いやいや! でも!
 自分のようなちっこいサークルがそんなことに煩悶するのは、奢りというものではありましょう。
 たとえ仮にまったく売れないなんてことになったとしても、本ごとの旬があるわけではない創作ジャンルなので。時間をかけてお手にとっていただければそれでいいですし。読み違えて持っていきすぎて困ることといえば、搬出宅配便の受付に運ぶ箱が重くて翌日筋肉痛になるというくらいのもので。
 せっかくの年2回のお祭りですので、事前の宅配搬入で送るA3の箱にはディスプレイ用品が入る余白のみを残して、既刊をいっぱいに詰め込みこんだものでした。



 サークルのディスプレイはこんな感じ。

 自分のサークルの設営モードは、

@折り畳み棚を2つ使って、後段(棚の上)5種類前面5種類の計10種類を並べられるようにするフルモード
A折り畳み棚を1つ使って、後段(棚の上)2種類前面5種類の計10種類を並べられるようにするハーフモード
B折り畳み棚は使わず、5種類の本を横並びにするシンプルモード

 の3種類がありまして。ここ数回はコミケでもAのモードのことが多かったのですが――
 今回は、春日横丁シリーズが既刊4冊、新刊のシリーズが2冊、短編3冊の計9種類の本を置きたかったこともあって、久しぶり……もしかしたら新型コロナによる中断からの再開後初めてになるかもしれないフルモードでいきました。
 シンプルな置きのほうがお手にとっていただきやすいかなあ、というのももちろんあるのですけれど、シリーズものの冊数が重なってくるとどうしても机上に置きたい数は増えてしまいますね。
(このあたり、「創作同人でシリーズものを頒布していくことについて」は、そのうちこの日記で書きたいと思います)

 さて、設営が終わって、同じく設営の終わった知り合いのサークルさんとお話をしていたりするうちに、10時半。アナウンスと拍手が響いて、コミックマーケット103の開幕。

 最初の30分はアーリーチケット時間だから、自分のサークルは買いにいらっしゃるかたはほぼゼロかな……
 などと始まる前はいつも思っているのですが、この時間に「新刊をください」のお声も複数いただいて、ありがたいことなのです。サークル参加で買いにいらしてくださるかたもいらっしゃる時間なのでしょうか。ほんとうに、感謝なのであります。
 
 西ホールは、先ほども書いたのですが再開1回目のC99(2021年冬コミ)以来。
 自分は、感染症対策のため参加者数をかなり抑えて開催されたあのC99は、「コミケを先に続けていくために開催されたコミケ」と思っていて。会場にひとが少なかったことや、当然頒布数ものびなかったことについては、ネガティヴな感情はなかったのです(当時、そういうツイートもしてると思う)
 ただやはり、「目の前のブロック通路に今この数十秒、ひとりのひともいらっしゃらない」という時間がたびたびあったあの日。「この感染症対策モードは、明けがあるのかな。明けたとして、サークルさんや一般参加のかたは戻ってこられるのかな……」という不安には駆られたものでした。

 それから丸2年。
 今年の夏コミの1日目に一般参加して東駐車場を埋める列の待機ブロックについたときにも、「あ――これはもう、以前のコミケに限りなく近い……!」とわくわくした記憶がありますが――今回の2日目、サークル参加した西ホールの活気は、あらためて「いつものコミケが戻ってきた……!」という高揚が大きかったです。
 時間によって波はありますし、東ホールの人気ジャンルゾーンのようなラッシュとは違いますが、とにかく一日を通して閑散とした時間がなかった。
 もちろんまあ自分のところのようなちいさなサークルだと、通路に活気があってもそれが、次々とお手にとっていただける……! なんていうことにはなかなか繋がらないのですが。
 ただ、コミケに限らず感染症対策のさまざまな制限下での即売会の数年(くり返し書きますが、それにネガティヴな印象を持っているわけではないのです)の時期をいよいよ抜けたんだなあという嬉しさは、ずっとひとの行き交う目の前の通路を長机の内側から見つめつつ、胸にこみあげておりました。

 14時すこし過ぎにいちど、搬出の宅配便出しと東ホールへの買いもの遠征(あまり時間はとれなかったのですが)
 そういえば、西ホールから東ホールへの移動、前回もそうだったのか今回からだったのかわからないのですが、「西1ホール外からいちどビックサイト敷地外の歩道に出て、横断歩道を渡って東3ホール付近に入るコース」が復活したのですね。
 全日有料チケット(リストバンド)入場制になったので、以前のような完全な自由往来ではなく、整列して誘導されながらの西→東の一方通行(東→西はいつものビックサイト屋内通路)でしたが――「西ホールに自サークルが配置されたときの、買いもののための東西移動の距離と所要時間」って、サークル参加ですと悩ましい問題のひとつなので。時間が大幅に短縮できる屋外ルートの復活は、かなり嬉しいです。



 15時に帰ってきて、閉会までの1時間は本の種類を絞った縮小モードでスペースに。
 自分のサークルはコミケのときは、閉会後に宅配便の搬出列に並ぶと荷物の重さで体力がゼロになってしまうので、
「閉会1〜2時間前くらいに、『もしも戻ってきてそのあと1冊も売れなかったとしてもなんとか手搬入でもって帰れる冊数と種類』を残して、在庫とディスプレイの一部宅配便で送ってしまい、あとは縮小モードで閉会までスペースにいる」
 というスタイル
をとっています。
 といっても、C99以降前回までは持ってくる冊数も少なめに抑えていたのと、閉会後に並んでもそこまで搬出が長蛇の列にはならないので……この2段階モードではなく、「閉会後にまとめて搬出する」というやり方でいたのです。
 ですが。
 前回閉会後の列に並んだとき「あ、そろそろまた段階モードに戻さないと、列が長くて並ぶのきつくなってきたな……」という気配を感じたので、今回は久しぶりに。
 これもまた(閉会の宅配の搬出列が長くなってきたのも含めて)、以前のコミケが戻ってきたなあという気がします。

 今回久しぶりにこのやり方をとって、中断前と違っていたのは――最後の1時間でお手にとっていただける比率が前よりも多くなった、ということでした。
 閉会前1時間の縮小モードは、自分にとってどちらかというと「最後まで会場にいて閉会の拍手に参加したい」という目的からはじめたところが大きくて。なので、もしもお手にとっていただければ嬉しいけれど、もしもここの頒布数がゼロだったりしても落ち込んだりはしない。実際、コロナによる中断前、この時間にはごくごく時々立ち読みしてくださるかたがいらっしゃって、そのうち幾人かのかたがありがたくも買ってくださる――くらいののんびりタイムだったのです。
 それが今回は。
 もちろんのんびりまったりタイムではあるのですが――新刊既刊とも、確実にお手にとってくださるかたが以前より多くいらっしゃいました。

 うちのサークルでは時系列での頒布数の記録をとっているのですが、今回はこんな感じで。



 ご覧いただけるとおり、最後の1時間でお手にとっていただいた冊数が、ほかの時間帯とほとんど変わらなくて。
 というより、14時台はあまり席にいなかったことを考えると、「11時台(開場後30時間〜開場後1時間30分)以外の時間は、開会から閉会までほとんど均一のペースで本をお手にとっていただいた」ということになります。
 これが、西ホール(やや広い通路沿いのブロックの島端)というスペースの位置も関係しているのか、コミケの午前午後別チケット(リストバンド)制も影響しているのか。次回以降ももし西ホールで配置であったら参考にしていいことなのか。それはわかりませんが――
 のんびりな空気のあの会場の中でうちの本を見てご興味を持っていただき、お手にとっていただいたのはほんとうに嬉しゅうございました。ありがとうございます!




 これは、閉会すこし前にスペースの椅子に座って西ホールの天井を撮った一枚。
 この時間って、毎回体力的にはもうかなりゼロに近くて。身体じゅうが泳いだあとみたいにけだるいのですが、そのけだるさもここちよく。原稿を仕上げて入稿するまでの苦労とか、今日の早朝からこの時間までのこととかをぼんやり振り返りながらこうしてホールの高い天井を見あげている時間って、なんだか好きです。

 ほどなくして16時になり、アナウンスと拍手がホールに響いて、コミックマーケット103の2日目は――そして、今年のすべての即売会は終了。
 ありがとうございました&おつかれさまでした! 今回もいいコミケでしたし、今年もいい即売会の一年でした!

 今回のコミケ。
 あまり頒布数のみの数字で語ってしまうのはいけないのですが――



 自分のサークルの頒布数では、ほぼほぼ中断前に戻った気がします。
(中断前最後のC97は、西ホールの壁という自サークルには不相応に恵まれた配置だったので、そのブーストがある例外的なデータと思っています)
 もちろん各即売会の頒布数は、新刊やコミケ初売りの本の冊数にも左右されてくるものなので、一概にこうとは言えないのですが――ただ、データのみならずスペースに立っていての通路や会場の雰囲気をみても、コロナによる中断からの「回復期」は完全に終わったのだなあという思いを強くしたコミケでありました。
 ここから先は自サークルも、回復だけではなくそのうえの再成長を目指していけなければいけない時期。
 2024年も、毎日の書きものや、そのほかのサークルとしての工夫にいそしんでいきたいと思います!



 
 カテゴリ:即売会レポート